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2006 年度 実績報告書

新しい適応制御理論体系の構築とモータ駆動制御系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18560425
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

劉 康志  千葉大学, 工学部, 助教授 (70240413)

キーワード新適応制御理論 / ISS小ゲイン原理 / 多入出力系適応制御 / 凸最適化設計 / モータ駆動システム / 大幅な負荷変動
研究概要

本年度の研究では、古典適応制御の限界を打破できる新しい適応制御の体系化を目指して、以下の研究成果を収めた。
1.まず、ISS (Input-to-State Stability)小ゲイン方法に基づいて、以下の優れた性質を有する新しい適応制御理論を提案できた。
(1)状態フィードバック、適応オブザーバの設計と適応則の設計が完全に分離される
(2)全状態の大域的指数安定を保証でき、しかも収束速度を明確に設定することができる
(3)多入力多出力システム向けの適応制御理論を実現している
(4)最小位相条件や次数差の制約を受けない。
そのいずれをとっても古典適応制御で保証できないものである。
2.そして、提案する新適応制御の設計はある種の凸最適化問題に帰着して解くことができることも解明できた。これによって数値的に設計するツールを確立することができる。
3.さらに、産業応用上きわめて重要なモータ駆動システムに対して、本方法を応用し現場チューリングの要らないサーボ技術を開発している。このために、負荷と連結軸が可変の直流モータ駆動システムを製作し、制御実験を繰り返しているところである。現段階では、大幅に変化する負荷を駆動できることが実験的に確認できている。しかし、実用上の問題点も現れてきている。それは、観測雑音の影響を強く受け、入力電流が極めて振動的になっていることである。その原因は、ISS小ゲイン条件を満足させるために高い適応オブザーバゲインを使ったためである。今後改善策を模索する必要がある。
本研究で目指すモータ駆動系制御技術は類の見ない、革新的な制御技術であり、成功すれば産業に大きく貢献できるものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Filippovの枠組みにおけるOn-Off制御系の安定化2007

    • 著者名/発表者名
      赤坂 大介, 劉 康志
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集 43・1

      ページ: 23-30

  • [雑誌論文] 自動車の走行安定化Gain-Scheduling制御2007

    • 著者名/発表者名
      金原 輝, 劉 康志
    • 雑誌名

      日本機会学会論文集 073・729C(印刷中)

  • [雑誌論文] An exponentially ε-convergent control algorithm for chained systems and its application to automatic parking systems2006

    • 著者名/発表者名
      K.Z.Liu, M.Q.Dao, T.Inoue
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Control Systems Technology 14・6

      ページ: 1113-1126

  • [雑誌論文] A Simple Derivation of ARE Solutions to The Standard H∞ Control Problem Based on LMI Solution2006

    • 著者名/発表者名
      K.Z.Liu, R.He
    • 雑誌名

      Systems and Control Letters 55・6

      ページ: 487-493

  • [雑誌論文] 自動車の自動駐車技術の実用化に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      オダ ミンクァン, 井上拓也, 劉 康志
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集 42・7

      ページ: 765-774

  • [雑誌論文] T-Sモデルの非線形システム表現能力に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      金原 輝, 劉 康志
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C 126・3

      ページ: 376-382

  • [図書] 現代制御論理通論2006

    • 著者名/発表者名
      劉 康志, 申 鉄龍
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      培風館

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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