研究課題/領域番号 |
18560452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
宇治 公隆 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70326015)
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研究分担者 |
國府 勝郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10042764)
上野 敦 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助手 (50232765)
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キーワード | コンクリート構造物 / CFRP格子筋 / 吹付けモルタル / 補修・補強 / せん断補強 |
研究概要 |
炭素繊維(CFRP)格子筋と吹付けモルタルを用いた補修・補強工法による、既設コンクリートはり部材のせん断補強効果を明らかにするため、既設(母材)コンクリートと吹付けモルタルの付着特性を実験的に検討した。平成18年度は、付着抵抗性を把握するための要素実験と、せん断耐荷挙動を把握するためのはり載荷実験を実施した。 要素実験では、CFRP格子筋を配置しモルタルを吹付けた試験体を用い、CFRP格子筋の間隔(100mm、50mm)、格子筋の種類(CR4、CR13)、界面処理方法(ブラスト、ディスクサンダー)、界面改質剤使用の有無を要因として、CFRP格子筋に作用させた引張力(300mm×300mm×厚さ100mm程度の試験体で、格子筋の1本を試験体外に突出させてそれに引張力を作用させた)により発生するせん断付着力の分布特性および破壊形態を把握した。CFRP格子筋の格子点近傍のひずみを測定し、せん断付着抵抗における格子筋の寄与を検討した。実験により、破壊形態はCFRP格子筋の破断、吹付けモルタルの割裂、吹付けモルタルの剥離の3種類に分類できること、せん断付着抵抗は格子筋の1マス分が寄与し、せん断抵抗能力を上回ると付着抵抗域が順次移行すること、が明らかとなった。 また、はり載荷実験では、RCはりコンクリートの側面をブラスト処理し、CFRP格子筋(CR4)を配置してモルタルを吹付けた試験体を用いた。合わせて、コンクリートのみの試験体(一体打ち)を基準試験体として試験した。実験の結果、適切に界面処理を行うことにより、コンクリートと吹付けモルタルの一体性が期待できること、部材端部での縦筋の定着がせん断耐力を左右する可能性があること、が明らかとなった。
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