研究概要 |
(1)腐食した亜鉛めっき鋼線の疲労および含有水素の影響の検討 亜鉛めっき鋼線を用い、4種類の腐食レベル(初期、亜鉛メッキの腐食、鉄錆発生時、鉄錆進展時)の試験体を、腐食加速することにより作成した.それらの繰り返し載荷試験により疲労強度を把握し、腐食レベルとの関係を評価した。さらに、荷重を載荷した状態で疲労試験を行うことにより、腐食環境下にあるケーブルの腐食疲労強度を研究した。また、試験体内部の水素含有量を測定し、腐食度と水素含有量の関係を把握した。本件に関して、3編の論文を発表した。 (2)補修方法および補修材料に関する調査 既設の腐食した鋼構造ケーブルの防食補修方法を調査した。有力な候補としては,ケーブル表層のみの再塗装、防錆油の含浸、亜鉛粉末防錆材の塗布、強制除湿であった。これらの方法に用いられる補修材料や具体的な補修工法を調査し、比較検討中である。 (3)各種補修法を施工した亜鉛めっき鋼線の機械的特性 既設の腐食した鋼構造ケーブルの防食補修方法として,ケーブル表層のみの再塗装、防錆油の含浸、亜鉛粉末防錆材の塗布、強制除湿を対象とし、それらの効果を実験により比較検討中である。腐食させた亜鉛めっき鋼線に実際にこれらの補修法を施した試験体を製作し、引張試験および疲労試験を実施し、その機械的強度を把握している。
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