研究課題
本年度は、SPring-8で新たに行った実験のデータ整理と、それを粒状体の微視力学構成モデルに活かす方法の検討を行った。(1)SPring-8における破砕性材料の粒子挙動の可視化粒子破砕性は、地盤全体の圧縮性やせん断強度に影響を及ぼす。特に粒子形状が極めていびつな材料の場合、粒子同士のかみ合いによってせん断強度が上昇するのか、破砕によって圧縮性が増大するのかは、実験での観察が困難なことから未解明の問題である。今回の実験では特に、月面の表層砂を対象としてこのような粒子挙動の3次元可視化を行った。その結果、粒子レベルの検討から地盤の圧縮性が急激に増大する応力レベルや、その際の圧縮量などを見積もることが可能であることを示した。(2)粒状体中の微視堆積構造に関する検討過去に行われたSPring-8マイクロX線CT実験のデータから、粒子の堆積構造を高精度に自動取得する手法を開発し、不規則形状粒子の微視構造についての重要なデータが得られた。(3)粒状体マイクロメカニックスモデルの高度化不規則粒子形状が粒状体のせん断強度に及ぼす影響を、Changらによって提案されている粒状体のマイクロメカニックス構成モデルに取り込む手法についての検討を行った。(4)粒子破砕のSPHシミュレーション手法の開発粒状体中の粒子破砕のメカニズムを検討するために、粒子法の一種であるSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法を適用する方法についての検討を行った。以上の結果について、現在論文発表を準備中である。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Aerospace Engineering, ASCE 未定(登載決定)
Earth & Space 2008 未定(登載決定)