研究課題
基盤研究(C)
21世紀となった現在でも地盤の破壊は毎年繰り返され、破壊後の流動や大変形による大被害が後を絶たない。また耐震設計思想の変化に伴い、土構造物の地震時変形予測手法の開発が期待されている。このためには、土の降伏後の挙動、すなわちせん断帯に沿い準静的なすべりが生じ、高速な流れへと移行する挙動を粒子レベルで正確に把握することが重要となる。本研究では静止した土(粒状体)からなる斜面が破壊(準静的流動)し、高速流動に移行するまでの現象を高速せん断試験と数値実験により粒子レベルで捉え、流れの構造を解明することを目的とする。具体的には以下の3つの項目について研究を行っている。1)2次元高速流れ実験装置を用い粒子の運動を測定し、流れの微視構造を解明し同時に数値解析の精度の検証に用いる。2)個別要素法をベースにした数値実験手法(固体粒子のみのモデルと、固液混相モデルの両方)を用い解析精度を検証する。3)この解析手法により、静止した粒子群が準静的流れを経て高速流れへ移行する際の微視的構造の変化を調べる。今年度は物理実験を用いて粒子の回転を測定し、粒子間のすべりと転がりを定量的に測定することを行っている。試験実験を開始して、測定精度を上げる方法を試した。同時に数値実験のためにプログラム準備・整備を行った。固液混相流に関しては、数値実験プログラムの開発及びチェックを行った。埼玉大学で開発してきた個別要素法(DEM)をベースにした固液混相流のプログラムを改良している。粒状体の準静的変形過程及び高速変形時に定性的、可能なら定量的にも信頼できるかを検証している。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件)
J. Geotech. and Geoenvir. Engrg., ASCE, 133-1,
ページ: 104-109,