研究概要 |
昨年度の研究を継続し,次の項目を集中的に検討した。 1)2次元高速せん断物理試験(担当者:岩下)2次元リング状高速せん断試験装置に円盤形状粒子を配置して,リングの外側の境界を回転させることで円盤形状粒子にせん断流れを生じさせる実験を行った。流れの状況を設定するために,粒子の充填率(フラクション)が密な場合から疎な場合まで変えたケースを設定し,また粒子流が受ける平均的なせん断ひずみ速度については,外壁の回転速度を変えることで制御できる。せん断粒子流を再現した後,個々の粒子の運動を高速度ビデオカメラにより収録した。収録した動画像をもとにPTV解析を行い,粒子の流れる速度を測定し,流れのプロファイルを明らかにした。流れる速度と同様に重要であると言われながら明らかにされていない粒子の回転速度を測定するために,動画像を元に粒子回転量を測定するアルゴリズムを開発し,十分な精度で測定できることを明らかにした。 2)個別要素法プログラムによる粒子の流動解析(担当者:鈴木)個別要素法(DEM)をベースにした固液混相流のプログラムにより,粒子流れを解析し,流れの中に生じる微細な粒子構造を調べた。流れが準静的速度から高速流れに移行する際に粒子衝突の形態が変化することや粒子クラスターが形成されることなど微視的変形機構の変化を中心に解析した。
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