研究課題
海岸の砂浜は、主に河川から供給された土砂と波浪等による土砂の流出が釣り合う場合には動的平衡となり海浜が維持される。しかし、河川流の減少、土砂の減少などの理由により海岸侵食が進むと大量のコンクリートブロックを汀線付近に設置して海岸を守らざるを得ない。また、土砂供給が断たれて侵食が進む場合、消波工前面の水深は深くなり、次々と沈下・散乱し、その維持に多くの経費を要する事になる。本研究は人工リーフを河口付近に設置する事によって少なくなる河川からの土砂をより有効に捕獲する為に、人工リーフの設置により生じる海浜流を考慮して適切な設置場所や方法等、人工リーフの河口付近への応用のために周辺の流況や土砂移動について河口からの排出土砂の捕砂効果を明らかにする事を目的とした。人工リーフ周辺の流況は、リーフ上の岸向き流れと開口部の沖向き流れが見られ、汀線の前進傾向も緩やかである事等が観測されている。そこで、日本海側のある海岸に設置されている人工リーフ群周辺の地形変化特性を整理すると供に、近年の計算機の性能向上により可能である拡張型Boussinesqモデルを適用して開口部周辺の波浪場を時系列的に求め、底面流速と各種漂砂量算定式を用いた地形変化量と現地変化量との比較により、汀線付近を含めた人工リーフ群周辺の流れ場と地形変化計算により、河川からの排出土砂量の約1割を捕らえている事が判った。
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Japan-Vietnam Estuary Workshop
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Asian and Pacific Coasts 2007, Nanjing China
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