研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、農村集落の再編のあり方を、ソーシャル・キャピタル(Social Capital:以下SCと記す)の豊かさの評価から検討することである。具体的には、SCという住民間の交流や連携から生まれる「相互扶助」によるコミュニティ形成が、人々の広域活動をどのように支えられるのかを考察して、農村集落再編のあり方を提案する。本研究では、集落崩壊の地域ではどのような現象が起きているのか、シミュレーションを用いて考察する。具体的には、対象地域のSCを計量化し、過去のコミュニティを比較してどのような変化が起きたのかを、マルチエージェント・シミュレーション(Multi Agent Simulation:以下MASと記す)を用いて検証することである。本研究により得られた結論を以下に示す。1) アンケート調査より、対象地域のSCは高いことがわかった。しかし、ヒアリング調査で、過去に「先導者」が多く町外へ移転していることが判明した。つまり、現在の地域コミュニティは先導者が抜けた状態で行なわれているといえる。2) SCが集落崩壊を防ぐ要因となることはわかったが、これだけでは地域活性化には至らない。ヒアリング調査で明らかとなったように、住民の「収入問題」が町外移転に大きく寄与していることがわかった。3) 「先導者」の町外移転を抑制するためには、その地域に留まるメリットが重要になってくることが考えられる。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
国際交通安全学会誌 Vol.32, No.3
ページ: 56-63
土木計画学研究・論文集 Vol.24, No.3
ページ: 421-426
Journal of JSCE on Transportation Planning V61.24, No.3
ページ: pp56-63
International Association of Traffic and Safety Sciences, Review Vo1.32, No.3