| 研究概要 |
都市再生が国家的な重要政策課題として掲げられていると同時に,都市基盤整備を含むほとんど全ての公共事業には客観的・定量的な評価が要求されるようになっている.特に,人口減少・高齢化社会を背景として,生産力としての人口が減少していく中での都市の生産活動の再編,高齢化に伴う世帯行動の変化と住宅立地への影響などは定量的な分析によって把握することが必要とされている.
本研究では,(1)都市施策が効果を発現されない大きな理由の1つである土地情報の不確定性に起因した土地取引の阻害に着目した地籍調査推進の経済効果に関する分析,(2)人口減少下の生産年齢人口・世帯数フレームでの応用都市経済モデルによる交通政策の経済評価手法の開発,(3)大都市圏における近年の交通整備効果の発現に関する空間的統計学的な実証分析,(4)高齢者向け公共サービスの空間的再編と整備のシナリオに関する応用都市経済モデルを用いた効果分析手法の開発,(5)老朽化する都市インフラの長期的更新に関する分析.を行った.(1)と(5)については理論的な知見が主たる成果であるが,他の手法は実データを用いた都市モデルを開発したものであるため,学術的な意義だけでなく,都市政策・交通政策の実務においても直ちに活用できる手法として構築したものである.
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