(1)18、19年度に調査した過去の多重衝突事故に関する諸データ、ならびに高速道路交通流観測データを用いて、これまでに作成した高速道路交通流シミュレーションモデルのキャリブレーションを行い、精密かつ再現性の高いモデルとした。 (2)作成したシミュレーションモデルを用いて、多重衝突事故のコンピュータ・シミュレーションによる再現実験を数多く行い、多重衝突の発生・進展のプロセスを詳しく分析した。また多重衝突事故を数量的に評価するモデルを作成した。 (3)道路要因、交通要因、気象要因等多くの要因の現実的な組合せのもとで、多重衝突の再現実験を数多く行い、多重衝突の生起確率ならびに多重衝突の規模と要因との関係を数量的に評価し、要因の相乗効果を明らかにした。 (4)速度規制等、気象条件が悪化したときに、事故を防止するために現実的に取られている交通管理法について、その内容を多重衝突事故の再現実験に反映させ、その実験結果から、それら交通管理法の多重衝突事故防止の効果とその限界を数量的に評価した。 (5)高度交通情報システム(ITS)技術について、技術の実用化の内容をシミュレーションモデルに反映させ、多重衝突事故再現実験を通して、 ITS諸技術の多重衝突事故防止の効果とその限界を数量的に評価した。 (6)上記の研究成果を、報告書として取りまとめた。
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