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2006 年度 実績報告書

金属の複合汚染が河川生態系に及ぼす影響とその評価

研究課題

研究課題/領域番号 18560528
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岩手大学

研究代表者

海田 輝之  岩手大学, 工学部, 教授 (30117072)

研究分担者 伊藤 歩  岩手大学, 工学研究科, 助教授 (90312511)
キーワード河川生態系 / 金属 / 複合汚染
研究概要

1.Alの存在形態が付着藻類の生存及ぼす影響
Alの形態とその濃度が異なる種力の溶液を作成し、栄養塩類を添加しない水溶液中で藻類の培養試験を行い、ChlorophyII a濃度の減少が一次反応モデルに従うとして算出した減少速度定数により検討した。試験では、栄養塩類は添加せず、試験期間は72時間とし、培養条件は、室温25℃、照度4000lxの連続照射及び一日数回の撹拌とした。
その結果、Nitzschia paleaでは、減少速度定数はpH4.5と6でAl-b濃度(重合核アルミニウム)の上昇に伴い増大した。Achnanthes minutissimaの場合、pH6ではAlイオンが悪影響を及ぼし、その程度はAl-b濃度と関連があることが示唆されたが、pH4.5の場合には明確な関連性は見られず、pHの影響が大きいことが分った。さらに、Al-a(単核アルミニウム)、Al-b及びAl-c(非反応性アルミニウム)濃度を説明変数、減少速度定数を目的変数とした重回帰分析の結果、Nitzschia paleaではpH4.5、pH6共に、Al-bが死滅速度を増大させる要因であり、Al-a及びAl-cは死滅速度にほとんど影響を与えていないことが示された。Achnanthes minutissimaでは、pH4.5では、各画分のAl濃度と減少速度定数との明確な関連性はなかったが,pH6では、Al-bが死滅速度を増大させる要因であることが分った。
2.重合核AlとCa、Mg及びZnの共存が付着藻類の生存に及ぼす影響
pH6の弱酸性下で重合核Alが存在する環境においてCa、Mg、Znを添加した場合での付着藻類(Nitzschia palea)の死滅速度について室内実験により検討した。その結果、Ca、Mgの濃度の増加によって、Nitzschia paleaの生息を抑制する重合核Alの作用が緩和されることが示された。しかし、現実の河川では各金属濃度が低いため抑制の度合いは低いと考えられる.
また、Znの添加量の増加に伴い、重合核Alを含む溶液におけるNitzschia paleaの死滅が促進された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 付着藻類を指標としたアルミニウムの河川生態系への影響に関する基礎的研究2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木貴史, 館紀昭, 伊藤歩, 相沢治郎, 海田輝之
    • 雑誌名

      環境工学研究論文集 43

      ページ: 493-500

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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