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2006 年度 実績報告書

畜産廃棄物農地投与による環境保全推進-難分解性有機物と女性ホルモンの動態を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18560529
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

藤川 陽子  京都大学, 原始炉実験所, 准教授 (90178145)

研究分担者 福井 正美  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (40027462)
菅原 正孝  大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
濱崎 竜英  大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
キーワード家畜排泄物 / メタン発酵 / エストロゲン / 水田 / 消化液
研究概要

家畜排泄物の処理法として処理とエネルギー生産を両立させるメタン発酵-バイオガス発電が注目されている。この方式の問題点はメタン発酵消化液はそのまま水域に放流できず費用の高い後処理が必要なことである。この解決策として排せつ物の消化液を水田等に肥料として投与する試みが進められている。ところで、家畜排せつ物には水圏で内分泌かく乱性が注目されるエストロゲンが高濃度で含まれている。消化液中のエストロゲン濃度および我が国の消化液投与農地の周辺水域でのエストロゲンの影響に関する報告はまだなく,本研究ではこれらについて調査を行った。今回測定した消化液中のエストロン(E1)および17βエストラジオール(E2)濃度として4.9および0.19μg/Lが検出されたが、エストリオール(E3)および17αエストラジオール(αE2)は検出されなかった。消化液投与水田の田面水中ではE1が0.1μg/L検出されたが他のエストロゲンが検出限界以下、同田で収穫した玄米中のE1およびE2濃度はそれぞれ0.95および0.74μg/kgの検出下限値以下であった。コメの一人一日摂取量は180g/(人・日)とされ、仮に玄米中と白米中でエストロゲン濃度が同じとすればE1にして0.17μg/(人・日)以下、E2にして0.13μg/(人・日)以下の摂取があることになる。ただしエストロゲンのlogKow値から白米中のエストロゲン濃度は玄米中のエストロゲン濃度よりも小さいと推察されるので、上記の推定値は過大値を与える。なお著者らはこれまでGC-MS測定においては内部標準としてchrysene-d12での感度補正を行っていたが,chrysene-d12はエストロゲンとマトリクス効果の受け方が異なり、感度補正の際にchrysene-d12を用いると大きな誤差をあたえる場合があるとが研究を進める中で明らかになった。そこで様々な検討の結果、αE2の含まれない試料については、今後、αE2を新たに内部標準として用いて感度補正を行うことが適切と考えた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 家畜糞尿堆肥中エストロゲン・カドミウムと米の安全に関する予備的検討2007

    • 著者名/発表者名
      藤川陽子、原侑子、折立文子、櫻井伸治、王媛
    • 雑誌名

      環境衛生工学研究 21(3)

      ページ: 83-86

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 消化液農地投与による環境保全2007

    • 著者名/発表者名
      藤川陽子
    • 雑誌名

      環境技術 36(9)

      ページ: 31-37

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Estrogens in the livestock manure and food safety-Results of the preliminary inivestigation.2007

    • 著者名/発表者名
      Fujikawa Y., Oritate F., Hara Y., Sakurai S., Fukuil M., Umeda M., Hamasaki T., Sugahara M.
    • 雑誌名

      Proceedings of 11th International Congress of Toxicology, Montreal, Canada

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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