研究概要 |
膜面に堆積した菌体外ポリマーが低分子化し,それに伴い膜ろ過抵抗が低下することが実験的に確認したことを受け,以下の結論を得た。 (1)膜面におけるポリマーのはく離過程をモデル化を行った。特に,ばっ気風量と膜面せん断力との関係について定量化を行った。膜モジュールとしては平膜モジュールに加え,中空糸膜モジュールも対象とし,せん断力と膜面からの汚泥のはく離速度との関係についても定量化を行った。平膜については,膜面のせん断力と気泡流の上層速度と速度分布との関係を定式化し,中空糸膜については,膜内の流速分布と気泡流量との関係を定式化し,膜に働く力との関係を定式化した。 (2)膜面に堆積したポリマーの低分子化速度と膜間差圧低下のモデル化を行った。膜面におけるポリマーの挙動の定式化を行うことを目的とし,膜面の堆積ポリマーを高分子成分(分子量100万以上),中分子成分(同10万〜100万),低分子成分(10万以下)に分類し,各成分の変化を一次方程式にて定式化し,係数の決定を行った。実験は,膜に汚泥を退席させたものを水道水中で整地させ,膜面における各成分のEPSの体積量の変化を測定し,モデルへのフィッティングを行った。その結果,各成分の変動を構築したモデルにより表現可能であることを示した。また,高分子部分の堆積量が膜ろ過抵抗に関係があるという式を構築し,膜フラックスの低下との関係について実験的検討を行い。モデルが妥当であることを示した。
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