研究概要 |
プラスチックはその特性(加工性,軽量,安価など)を活かした多くの技術開発がなされ,利便性をはじめ生活環境に多くの恩恵を享受してきた一方で,大量生産,大量消費,大量廃棄により,多くの廃プラスチックが発生するようになり,プラスチックが難分解性であることから,ごみ量増加,最終処分場の逼迫を招く要因となっている. 本研究では,平成19年度において,プラスチック類の再資源化方法として,高炉還元化,コークス炉化学原料化,油化処理,ガス化処理について,実施企業にヒアリング調査を行い,各再資源化方法のLCA,LCC評価を行った. その結果,今回の条件においては,プラスチック1トン当たりを再資源化することにより生じるCO_2排出量は,油化処理,高炉還元,コークス炉化学原料化がほぼ同等であり少ない,それに対してガス化処理は,他の再資源化手法よりも2倍程度多いことが明らかとなった.また,コストについても同様に評価を行ったところ,ガス化処理に要する費用が最も高い結果となった.これは,ガス化処理に際して,使用する電力消費量が他の処理方式に比べて非常に大きいためである.しかし,再資源化によるCO_2排出量削減効果は,ガス化処理が最も高い結果となった.これはガス化処理が廃プラスチック1t当たりから多くのアンモニア原料を摘出できるためである.そのため,再資源化物をCO_2換算により削減効果として考えた場合,ガス化処理が最も環境負荷が小さい手法である.以上の結果より,CO_2換算で評価した場合,プラスチック類の再資源化において優位な方式はガス化処理であると考えられる.ただし,再資源化物や日本全国における需要量を考慮した揚合,全てをガス化処理することが適正とは限らないため,それらを考慮した適正配置等の検討が今後必要である.
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