研究課題/領域番号 |
18560539
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山内 正仁 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 准教授 (40239843)
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研究分担者 |
増田 純雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70117422)
樗木 直也 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60244266)
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キーワード | 甘藷焼酎粕乾燥固形物 / 高付加価値きのこ / 食品産業廃棄物 / 資源循環 |
研究概要 |
本研究の最終目的は、焼酎粕をきのこ栽培用の栄養材に利用し、高付加価値きのこを生産すると同時に、その過程で発生する使用済み菌床(廃菌床)を家畜飼料・敷料、肥料と段階的に利用していくことで焼酎粕の物質循環、経済循環を合致させる環境保全・資源循環型の新規システムを開発することである。平成19年度は、まず、焼酎粕廃菌床を直接土壌に還元することが可能であるか、また、現在肥料として土壌に散布されている焼酎粕原液、焼酎粕乾燥固形物と比較して作物に対して効果的であるかを調査するために、エリンギ廃菌床を用いたコマツナ種子発芽試験を実施した。その結果、直接、土壌に焼酎粕原液や焼酎粕乾燥固形物を混和し、作物を栽培した場合、特に焼酎粕原液ではエタノールや酪酸、プロピオン酸等の有機酸類の影響で作物の生長が阻害されるため、焼酎粕原液はこれらの物質が土壌微生物により分解されるまでは作物栽培へ利用することは難しいと考えられた。しかし、焼酎粕廃菌床の場合、これらの物質が全て菌糸の生長及び子実体形成に利用されるため、作物への影響は無く、土壌混合後、直ぐに作物栽培に利用できると考えられた。次にモウソウチクを針葉樹おが屑の代替として利用し、焼酎粕乾燥固形物と竹屑を組み合わせたきのこ菌床を作製し、ヒラタケの栽培試験を試みた。その結果、針葉樹おが屑の半分を竹屑に置換した培地では、従来の焼酎粕培地よりも菌周り日数が3-4日程度速く、収量も10%程度増加した。
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