研究概要 |
軸力,曲げ,せん断力を種々,組み合わせて加力される鉄筋コンクリート柱に関して,柱内部の応力分布と応カーひずみ関係を測定する実験の測定システムの開発を行い、予備実験を行った。これまで開発してきた大型の測定装置に合わせて、応力分布を測定する測定面の支持方法の改良と、コンクリート内部のひずみを直接測定する埋め込みゲージの検証を行った。 (1)支持方法については、繰り返しのせん断力に適用できるように改良を行うことができた。 (2)加力方法については、一部に問題は残っているが、繰り返しの多方向加力が可能な加カシステムを構築して、応力分布を測定できるようになった。 (3)コンクリート内部のびずみの測定については超小型の埋め込みゲージを用いて、大変形までのひずみの測定を試みたが、2%が限界で、改良の余地が残っている。 (4)現時点で構築された測定システムを用いて、一軸圧縮載荷を受ける鋼管コンクリート柱の応力分布と内部のひずみを測定した。鋼管から受ける横拘束力により、内部の応力分布は変化し、断面内の応カーひずみ関係に関するデータを測定できた。 (5)柱断面内で曲げ解析用の応カーひずみ関係は,断面位置により変化して,断面中央ほど,その圧縮強度が大きく,延性的な応カーひずみ関係になる。 (6)せん断力を受けると曲げ圧縮強度は増大し,曲げ圧縮域のせいも狭くなる。 (7)平成19年度は今年度、構築されたシステムを用いて一軸圧縮を受ける柱と軸力・曲げ・せん断力を受ける柱の,曲げ圧縮域のコンクリートの応カーひずみ関係の相関メカニズムの解明を試みる。
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