研究課題
基盤研究(C)
本研究は、常時微動観測及び模擬常時微動により得られたレーリー波分散特性を用い、成層地盤のS波速度構造の推定精度とその限界を検証することを目的としている。秋田県内のKik-net震観測点の19カ所では7点になる三角形アレー微動観測を行った。各地震観測点で得られた常時微動記録の鉛直成分を用い、「f-kスペクトル法」による表面波のレーリー波分散特性を求めた。さらにモンテカルロ法による逆解析(ランダム法)からS波速度構造を推定し、各地震観測点で得られているPS検層によるS波速度構造と比較し、常時微動観測記録を用いたS波速度構造推定の推定精度および限界を検討した。S波速度はレーリー波の基本モードの位相速度とほぼ同じ値であるとの関係より、観測分散曲線の最も速い位相速度以下で推定したS波速度構造はPS検層の結果と比較すると、ばらつきが少なく、精度の良い結果を得た。一方、最も速い位相速度以上、推定したS波速度構造はPS検層の結果と比較すると、ばらつきが大きく、推定精度はよくない結果となった。f-kスペクトル法から推定した位相速度のほとんどの値は1000m/s以下になった。以上の結果より、未固結地盤のS波速度構造の推定が可能であると思われる。常時微動観測記録から得られた考察を検証するため、地盤をあるS波速度構造(6層+半無限)を持つと仮定し、地表面(第1層)から一層ずつ次の下層を追加しながら、6つの水平成層地盤構造システムを作成し、三角形アレー微動観測をシミュレートする数値解析を行った。f-kスペクトル法によるレーリー波模擬分散特性を求め、逆解析による水平成層地盤のS波速度構造の推定精度及びその限界について検討を行った。三角形アレー微動観測と同様に、模擬分散曲線の最も速い位相速度以下、ある深さでの推定したS波速度構造と仮定したS波速度構造は、ばらつきが少なく、精度の良い結果が得られた。その最も速い位相速度以上、ばらつきが大きく、推定精度はよくない結果を得た。
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http://www.akita-pu.ac.jp/stic/souran/study/detail.php?id=154
http://www.akita-pu.ac.jp/ippan/columnitem.htm?serial_no=114