研究概要 |
本研究2年目は初年度に引き続き(1)免震地盤材料として最適な材料を見出す実験、(2)免震材料を植生の基盤材として使用するための実験および(3)アスファルト混合体の振動遮断性に関する解析的研究の3テーマを掲げて実施したが、改良した振動三軸試験にアクシデントが発生し、その対応に追われたため、(3)のテーマについては、次年度に繰り越さざるを得なかった。以下、得られた主な成果は次の通りである。 (1) 免震地盤材料として最適な材料を見出す実験 初年度の配合試験および一軸圧縮試験結果に基づいて繰り返し三軸圧縮試験を行った。木片チップを主体とし、タイヤチップ、再生細骨材、再生微粒分および高炉水砕スラグを混合材として絶乾質量比を種々変えて混合体を作製した。実験条件は、拘束圧は30kPa,繰り返し振動数は1〜2Hzとし、等価ヤング係数および履歴減衰率を試験した。試験項目とその結果は次の通りである。(1)アスファルト乳剤/水比は水量は少ないほうが良い。(2)免震地盤材料として使用可能な混合材は木片チップの他に再生微粒分>再生細骨材>タイヤチップ>高炉水砕スラグの順であることが分かった。(3)その他に養生日数、供試体作製時の突き固め回数が強度管理に必要なことが判明した。その結果、木片チップと再生微粒分の組み合わせをアスファルト乳剤で混合攪拌した材料が最適であることが明らかとなった。 (2) 免震材料を植生の基盤材として使用するための実験 一段階として木片チップとALCの破砕片をセメントで混合攪拌して作製した基盤材を使用して、種から蒔く市販の洋芝を用いて発育状態を観察・測定した。発育は(1)基盤材の上に敷き詰める土の深さなどに大きく影響されることが判明した。新しく、木片チップと再生微粒分の組み合わせによる混合体も含め、次年度も実験を継続する。
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