研究概要 |
本研究は産業廃棄物や建設副産物であるタイヤチップ、高炉水砕スラグ、木片チップ、再生細骨材および再生微粒分を用い、最適な免震地盤材料を提示することを目的とした研究であり、ヤング係数の確保と履歴減衰を有する材料を開発し、地震時は免震地盤材料として有効に働かせ、平常時においては地球環境も考慮に入れて、植生のための基盤材になり得る材料および振動遮断性のある材料を開発することを目的とした。 研究3年目の最終年度は次の1.2.の実験を実施した。 1.製造した免震材料を植生の基盤材として使用するための実験を実施した。基盤材は木片チップに再生細骨材,タイヤチップおよび新しく導入した人工の珪砂をそれぞれに対して所定量加え、混合攪拌して作製した3種類の基盤材について行った。植物は西洋芝を植えつけ、熱伝対、成長度などを測定し、どの基盤材が有効であるかを見定める実験をおこなった。その結果、タイヤチップにアスファルト乳剤を施した材料が基盤材として有効性があることが分かった。 2.免震地盤材料の振動遮断性の実験および解析について研究した。(1)模型実験ではセメントの硬化時間を考慮に入れた円柱形のソイルセメント処理土を地盤として見立て、混合材とアスファルト乳剤を用いて混合攪拌した混合体をその模型地盤にはさみ込み、模型地盤に振動を与え、その伝播経路各部の応答量を測定することで、混合体の振動遮断性を検討した。検討パラメータは、(1)混合体の厚さ、(2)地盤と見立てた模型地盤と混合体とのインピーダンス比とした。(2)解析的検討では、1次元波動論による模型実験のシミュレーション解析および波動論に立脚した2次元解析による実地盤の場合の遮断効果についての遮断材の遮断性能について検討した。その結果、実験・解析共に充分満足いく結果は得られなかったが、今後の研究に必要な有効な資料を得ることが出来た。
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