研究概要 |
平成19年度までの理論研究および実験研究により,木造戸建免震住宅を実現するための基礎的研究はほぼ終了し,その成果は日本建築学会構造系論文集の2編の学術論文にまとめられている。また,平成19年度日本建築学会大会(福岡)において幾何学的非線形効果を考慮した座屈安定性に優れた積層ゴム支承の実験結果について発表を行った。 以上の学術的な成果は,大学における知的財産権として特許庁に発明申請を行っており,現在審査中である。また,これらの基礎研究の成果を基に,東洋ゴム工業(株)ならびに東急建設(株)との産学共同研究開発を実施し,木造住宅に適した高減衰積層ゴム支承を開発した。この工業製品は国土交通大臣の部材認定を取得しており,免震構造部材として戸建免震構造に使用することが法的にも認められている。この免震構造用積層ゴム支承を用いた戸建免震住宅は,通常の確認申請のみで建設することが可能で,最初の建物は平成19年7月に竣工した。平成20年3月現在,実施,設計,建設された木造戸建免震住宅は既に4棟の実績がある。 さらに,本研究開発の成果である木造戸建免震住宅の開発成果については,武蔵工業大学,東急建設,東洋ゴム工業の三者による共同記者発表が行われており,建設業新聞,日経アーキテクチャー,東京新聞,日刊工業新聞,日本経済新聞,などで報道された。また,戸建免震構造の新しい技術として,TV番組でも報道され大きな反響があった。
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