研究課題
基盤研究(C)
本研究では、RC造基礎梁に定着されたアンカーの構造性能(支持耐力、抜出し性状および破壊性状)を実験的に把握することを目的としている。1.定着方法の異なるアンカーボルトの引張実験を行い、以下の知見を得た。アンカーボルトによるRC造基礎梁へのせん断力伝達機構は、アンカーボルトの種類および埋込み長さの違いにより異なる。異形棒鋼のアンカーボルトの引抜き力に対する抵抗は付着力であり、耐力が上がるにつれ、付着抵抗に有効な区間が付着力の喪失とともに上部から下部へ移る。したがって、RC造基礎梁内における圧縮ストラットの角度も、付着力の喪失とともに上部から下部へ移る。直棒部分が丸鋼であり、定着部分がプレート型およびフック型のアンカーの引抜き力に対する抵抗は、丸鋼の付着力が喪失した後は定着部の支圧力により抵抗する。したがって、RC造基礎梁内における圧縮ストラットの角度は、埋込み長さの違いにより変化する。2.へりあきの小さいアンカーに面内方向のせん断力を作用させ、へりあき、アンカーボルトの埋込み長さがせん断力、変形性状に及ぼす影響を把握するために、せん断実験を行い、以下の知見を得た。へりあきが小さい場合に、へりあきに平行な方向のせん断力に対して、コンクリートの側面剥離破壊により脆性的な破壊を示すことを明らかにした。本実験範囲内のへりあき寸法であれば、アンカー筋の局部降伏が確認され、局部降伏までのせん断性状はへりあきの有無に関係なく同様な挙動を示すことが確認された。しかし、局部降伏点の最大耐力に対する余裕率は異なるため、最大耐力を評価するにあたっては、へりあきによる耐力の低減を考慮する必要がある。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
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Proceedings of annual meetings of HOKURIKU chapter, Architectural Institute of Japan Vol. 50
