研究課題/領域番号 |
18560567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
片岡 靖夫 中部大学, 工学部, 教授 (40102769)
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研究分担者 |
豊田 洋一 中部大学, 工学部, 准教授 (40102777)
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 中国少数民族 / トン族 / 伝統木造建築 / 貫構造 / 木割法 / 鼓楼 / 木橋 / 構築システム |
研究概要 |
本研究は鼓楼、木橋、涼亭、寨門、倉庫、舞台に共通した建築構法学的な木割り法と構築システムの研究であり、トン族の代表的な建築物である鼓楼の木割り法に準ずる部材寸法取りと架構法を記載した竹尺の記号の解読を行いこれに成功した。竹尺には長竹尺と短竹尺があり、長竹尺には柱の貫穴の位置と寸法が、短竹尺にはすべての貫穴内部の位置と加工寸法が記号と長さを表す複数本の単線で示されている。竹尺は1つの建物に一組作製し、建物が完成すると焼却処分される。技術の漏洩を防ぐためである。 トン族の各種建造物は貫構造であり日本の貫構造に類似している。しかし、楔代がないことが特徴であり日本建築との相違点である。通常、楔代がないことは仕口に集まる複数の部材を勘合させることが困難である。トン族の構築システムはこの困難な仕組みを部材構成法とハップという架構の建て方において建物全体を揺すりながら形を整えていく手法で解決しており、本研究においてこのような構築システムを明らかにすることができた。 本研究によって同族の伝統木造建築の構築システムの建築構造学的な解明と同族の木割り法の解明という成果を挙げることができたが、その中で鼓楼と2種類の代表的な木橋(程陽風雨橋と芭団橋)、及びトン族の村々で所有する多くの鼓楼の中で最古の増衝鼓楼の精巧な構築模型を作製することができた。さらに、CGによっては代表的な鼓楼、木橋、涼亭、倉庫、野舞台の架構体を正確に表現して記録に残すことができた。 トン族の建造物は技術の低下が進んでおり、また老朽化や火災で消失していくものが多く、本研究で対象にした優れたトン族伝統木造建築物の記録を残せたことは資料保存という観点からも有意義なものであったと考えている。
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