研究課題
基盤研究(C)
本研究では、構造躯体用モルタル(特殊な粒度分布の細骨材を用いることで通常よりも骨材量を増やし、乾燥収縮をコンクリートと同程度に抑制した構造躯体に適用するためのモルタル)の実用化に向けて、調合設計法や施工法を整備するために、下記の検討を行った1.骨材の分離メカニズムの検討:模擬的なモルタルなどを用いて振動締固め時の骨材の分離の進行過程を視覚的に捕らえた。そして、モルタル中の骨材量が多いほど振動下の骨材の分離の進行が抑制されることなどを明らかにした。2.細骨材の粒度分布の設計法に関する検討:粒度分布を様々に変化させた骨材に対して実積率試験を行い、骨材の粒度分布と実積率の関係を検討した。そして、2つまたは3つの粒度の組合せから成る骨材の実積率を概ね推定できる方法を示した。3.調合設計法の検討(空気量の影響の検討):構造躯体用モルタルの空気量がフレッシュ性状に及ぼす影響について検討し、空気量を無視して計算した骨材分散距離により包括的に降伏値が評価できることなどを明らかにした。4.施工方法の検討(振動締固め方法の検討):構造躯体用モルタルの振動締固め時のレオロジー性質や分離抵抗性について検討した。そして、構造躯体用モルタルの場合も、コンクリートと同様の振動締固め方法による打込みが可能であることなどを確認した。5.強度特性および乾燥収縮の検討:構造躯体用モルタルの圧縮強度はコンクリートとほぼ同等であり、ヤング係数はJASS5式により圧縮強度から推定可能である、また、乾燥収縮ひずみはコンクリートと同程度に制御可能である、などの結果を得た。6.構造躯体用モルタルの高流動化の検討:構造躯体用モルタルの高流動化の可能性について検討し、水セメント比が42.5%以下であれば、スランプフロー70cm程度まで高流動化が可能との結果を得た。
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