研究概要 |
本研究は,廃棄物の骨材への資源化や低品質骨材の活用に向けて,多様化傾向にあるコンクリートへの実用化を目指している。18年度の主な研究項目は,(1)低品質風化花崗岩系骨材コンクリートの品質改善,(2)ごみ焼却灰の有効利用,(3)再生骨材使用の舗装コンクリートの特性,(4)再生微粉使用の造粒細骨材を用いたモルタルの性状,(5)ガラス発泡微粉末及び軽量骨材の有効利用,(6)その他等で,その概要は次の通りである。 1)低品質の風化花崗岩砕石でも,実験条件(単位セメント量,締固め法,養生法等)や各条件の組合せにより品質の改善が可能である。又,フライアッシュの置換による強度増進効果が認められた。 2)低強度(8.3N/mm^2以下)の制御型セメント系スラリー材料にごみ焼却灰を使用しても,塩分溶出量や流動性等は海砂使用の場合とほぼ同等で,28日強度は6N/mm^2程度で利用可能な強度発現が得られた。 3)歩道用舗装ポーラスコンクリートへの再生骨材の利用に関して,目標空隙率10%の条件を満たすと同時に,透水係数,曲げ強度,乾湿繰返しによる抵抗性及び気化熱による温度低減効果等が認められた。 4)再生骨材製造時の発生微粉末を用いた造粒型再生細骨材使用のモルタル強度は,7日強度で15N/mm^2程度である。なお,造粒細骨材の粒形は加水量によってほぼ決まるが,今後は骨材強度の確保が問題である。 5)廃ガラス製のガラス発泡粉末を混和材を25%程度置換したモルタルでは,28日強度が40N/mm^2程度であり,乾燥収縮も標準モルタル程度である。又,ガラス発泡の粗骨材の場合は,絶乾密度1.11g/cm^3,吸水率33.4%で,骨材強度は3〜25N/mm^2程度のため構造用としては不適である。しかし,骨材自体の保水性やポーラスコンクリートとしての排水性や軽量性から屋上緑化植栽基盤としての可能性が高い。 6)JISの品質基準に適合した再生骨材Mの製造を検討中である。
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