研究概要 |
本研究では,各種廃棄物の品質改善により,建設資材としてのリサイクルへの可能性を検討し,実用化に向けた用途開発の促進を目標としている。なお,本年度の実験概要は次の通りである。 (1)廃ガラス発泡材粉末(粒子径50μm以上)を置換したモルタルでは,置換率25%以上になると流動性や強度の低下が生じた。しかし,耐久性や耐薬品性は普通モルタルと同等であった。 (2)廃ガラス発泡粗骨材使用のポーラスコンクリートは低強度(2〜10N/mm^2)であったが,粗骨材の保水性とポーラスコンクリートの排水性能により屋上緑化植栽基盤としての可能性の確認ができた。 (3)新技術による完全リサイクル形式の再生骨材の制造法の開発及び骨材の吸水率の低減化(3%以下)の目処が得られた。 (4)再生骨材微粉末製の造粒細骨材使用のモルタルでは,海砂とほぼ同等の流動性は得られたが,圧縮強度を増すには造粒細骨材の吸水率の低減による骨材強度の増大の必要が求められた。 (5)有機元素分析法によるフライアッシュの炭素量の測定により,既存のメチレンブルー吸着法に比べて分析時間が短縮され(約1/8),かつ,測定精度も同等であった。 (6)フライアッシュコンクリートの強度発現と養生条件の関係は,一般に初期材齢で大きく,長期材齢では水分供給の少ない封かん養生での強度発現が水中養生より小さかった。 (7)低強度RC柱でもコーナーブロックとPC鋼棒との導入等により,高軸力比下でも高い靭性能が期待でき,耐震補強が可能と考えられた。
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