本研究がイギリスの都市再生事業として研究対象とするSRB(シングル・リジェネレーション・バジェット)及びNDC(ニューディール・フォー・コミュニティズ)におけるパートナーシップ政策体系の発展の経緯を明らかにするため、1960年代からの、イギリス都市再生の歴史的展開について、住民参加に焦点を当てながら跡づける作業をおこなったが、1968年のアーバン・プログラムにすでにその理念的萌芽があることが判明した。 また、イギリスにおけるパートナーシップの特質を明らかにするため、ソーシャルキャピタルやコラボレイティブ・プランニング等、それに係わる諸理論についても検討をおこなったが、そのダークサイドをも包括した概念化の必要性等、いくつか理論的課題を見いだした。 調査対象地区として当初予定していたNDC5地区に加え、さらに新たに5地区(Aylesbury Estate、West Ham and Plaistow、North Fulham、Finsbury、New Cross Gate、Seven Sisters)を選定し、現地視察と事業所からのヒアリングをおこなった。また住民からも、非公式にヒアリングをおこなったが、参加については、地域によりかなり温度差があることがわかった。 なお、9月に実施予定の実地調査について、事業所から、資料提供、詳細な質問への回答等について、好意的な協力の約束を得られたことも大きな収穫であった。
|