研究概要 |
本研究の一つの課題である,SRB(シングル、リジェネレーション、バジェット)及びNDC(ニューディール、フォー、コミュニティズ)におけるパートナーシップ政策体系の発展経緯の研究については,本年度,政府政策文書等をもとに,最近の動向を中心に分析したが,LSP(ローカル、ストラジー、パートナーシップ)への発展を重視していることが明らかになった。 また,イギリスにおけるパートナーシップの特質を明らかにするため,その理論的基礎となっているソーシャルキャピタル論について継続的に研究を進めたが,筆者が探究している場の理論と補完関係にあること,また,ウェンガーのコミュニティ、オブ、プラクティス論やエンゲストロームの拡張による学習理論により,理論的拡充が可能であることが判明した。 Aylesbury Estate、West HamなどNDC実施地区5地区を対象に,現地視察と事業所及び関連団体からのヒアリングと資料収集をおこなったが,パートナーシップ、ボード選挙,コミュニティ、チェスト,チャーター,小売店舗改装助成,ワーデン,コミュニティ、インボルムメント、ティームの活動実態等,パートナーシップに関連するより詳細なデータを入手できた。パートナーシップが,政府のきわめて詳細な指針と評価管理の下で行われ,したがって,一定水準は確保されているものの,概して各地区の運営に個性が乏しいこと,にもかかわらず,真剣な取り組みのなかからユニークな試みも生まれていることが明らかになった。
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