研究課題/領域番号 |
18560592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
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研究分担者 |
及川 清昭 立命館大学, 理工学部, 教授 (00168840)
今井 公太郎 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (20262123)
橋本 憲一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40361646)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | ボロノイ / ドローネ網 / 最短経路距離 / 領域分割 / AED / 施設配置 |
研究概要 |
本研究は、第一篇で、一般的な障害付ボロノイ問題の近似解法を求めるツールの開発を行い、第二編で、実際の都市・建築空間におけるケーススタディとして、上野公園におけるAEDの配置について分析と検討を行っている。それにより、このツールの汎用性と効用を示している。 第一篇の手法論では、現実的で簡単なアルゴリズムとするため、多数のランダムな母点を元に作図したドローネ網(rDn)を用いる。rDnにより平面をセグメント化し、迂回距離を測定することにより障害付ボロノイ図の近似解を求めている。そのため、利用するrDnの等方性と歪の安定性を計算機実験により検証している。また、厳密解が求まる単純な事例において、実験により障害付ボロノイ図の近似解を求めている。これを厳密解と比較して得られた境界の信頼性を分析し、この方法の有効性を示している。そして自由形状の障害物が配置された例に対して障害付ボロノイ図を作図している。 第二編のケーススタディでは、AEDへのアクセス距離(最短経路距離)から、上野公園における成功生存率を分析した。AEDは、装置へのアクセス距離をできるかぎり短くすることで、犠牲者の生存率を高めることができる。上野公園には、池や上野動物園などの大きな領域があり、植栽や塀などが多く、直線距離と現実的なアプローチのための最短経路距離が大きく異なる。アクセス距離を時間に換算すると、心臓発作患者に対してAEDを使用した場合の生存率が求められるので、AEDによる救助プロセスを分析し、障害付き距離と生存率の関係を定式化している。そして、AEDを母点とする各ボロノイ圏域において、AEDへのアクセス距離の分布を調べた。この結果に基づき、手薄なところへAEDを追加配置すると仮定した場合の、圏域の変化やアクセス距離の変化を測定した。結果、私たちは、現在、平均アクセス距離343mの配置状況をAED追加により、平均アクセス距離119mまで改善する(平均生存率18パーセントの改善)配置の提案を行っている。
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