研究概要 |
本研究は、多様化する住宅需要の具体データの詳細な分析を通じて、住まい方の変遷と転居行動における住居・居住地選択を女性の立場から明らかにすることを目指すものである。ここでは住宅需要の視点として住宅単体ではなくそれを含む居住サービス全体に対する需要を分析対象とした。(財)家計経済研究所が行っている「女性の消費生活に関するパネル調査」のデータを利用して、初年度の18年度は以下の研究成果を得た。 まず、分析環境の整備を行い、データ入手、統計基本分析の後に、本研究で着目する居住関連データの抽出とデータセット加工を行った。 次に、本分析として以下2つの研究成果を得た。 第1に、住宅需要の変化を表す転居行動の空間分布と移動状況・生活行動・生活意識の関連性を分析するため、提供されている全調査年度から転居データを抽出し、ライフサイクル関連項目・生活行動・生活意識関連項目・生活環境・居住都市規模などの住居関連項目について、それらの変化と相互の関係の特徴を統計的分析により明らかにした。 第2に、女性の就業典型パターン(Single, DINKS, DEWKS)に見られる居住サービス需要の特徴を分析するため、就業状態にあるデータを全調査年度から抽出し、単身就業者・既婚就業者それぞれについて、生活行動と生活意識関連項目の相互の関係を統計的に分析し、既婚就業者に関して子供の有無・人数による差異を分析した。これらと転居動向項目の関連性を分析することにより女性就業者が持っ特徴や居住サービスに関する潜在的な需要を明らかにした。
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