研究課題
基盤研究(C)
本研究は、従来型特別養護老人ホーム(以下、特養)のユニット化の現状とその環境改善手法に関する研究である。近年、集団処遇から個人を尊重したケアへとパラダイムシフトし、いわゆる「個室・ユニットケア」施設が制度化された。しかしながら全国の特養ホームは、その圧倒的多数がその制度以前に建設された多床室、大食堂、長い廊下などからなる従来型施設である。そこで本研究は、その従来型施設における、ユニット化を実践する施設群に対してアンケート調査と平面図を調査し、ユニット化のプロセス、その実施効果、今後の課題などの現状分析を行なった。従来型施設の平面類型を(1)中廊下型、(2)回廊型、(3)フィンガー型、(4)クラスター型に分類し、それぞれの平面類型におけるユニット化手法の典型的手法を検討した。中でも回廊型が全体の4割と多数を占める。しかし回廊部分は、独立性を確保したユニット化が困難である特徴が見られた。他方、クラスター型の例数は少ないが、ユニット化が比較的容易な平面類型であった。さらに、その平面類型別にユニット化先進施設を訪問調査し、施設長や介護責任者へのヒヤリング調査をもとに、ユニット空間の現状(ユニット構成要素、ユニット境界、職員配置など)を詳細に検討した。また、事例研究として、PEAP日本版活用による従来型施設の環境改善に至るプロセスを時系列的に解析することにより、従来型施設における従来型施設の環境改善手法やユニット化の計画手法、システムモデルの検討を行なった。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
認知症介護 8
ページ: 14-19
日本建築学会計画系論文集第72巻第602号 72巻第602号
ページ: 41-47
J. Dementia Care vol. 8 No. 4
J. Archit. Plann., AIJ No. 620