研究概要 |
本年度は、アメリカにおいて持続可能な地域計画運動の顕著な展開が認められる州として、ミネソタ州、ペンシルベニア州、フロリダ州を取り上げ、それぞれの地域において地域計画運動に取り組んでいる非営利団体の計3団体を対象に、関係者インタビュー、資料収集を行い、組織の成立の経緯、理事会・スタッフ・会員等の組織の属性、資金源、主たる活動分野、主たる実績とそれを可能とした要因を調査した。更に、初年度の補足として、これら非営利団体で構成される、ワシントンDCの全国組織Smart Growth of Americaの関係者のインタビューを行った。 1.平成20年7月1000Friends of Minnesota(ミネソタ州セント・ポール市) 1000Friends of Minnesotaの事務局長Jeff Heegaard, Board Member Paul Baltzersen, Tom Casey, George Orning, この組織が派生した母体組織Land Stewardship Project(LSP)の事務局長George Boody,ミネソタ大学人種・貧困研究所教授Myron Orfieldにインタビュー。LSPは、1982年、農民と消費者の結合、維持可能な農業、農業の新ビジョンの確立を目標に組織された。1000FMNは、都市のスプロールに対抗するため、オレゴン州の1000Friends of OregonをモデルにUrban Growth Boundaryの普及を目的に、1993年LSPのプロジェクトとして組織され、1998年、独立のNPOとなった。維持可能な農業の探求から、都市のスプロールが問題となり、維持可能な都市開発を目標とする組織が設立された。コミュニティを支援するGrowing by Design,州の土地利用に関するEnvision Minnesotaを推進している。 2.平成21年3月10000 Friends of Pemlsylvallia(ペンシルベニア州ランカスター市) 10000 Frlends of Pennsylvallia, Harrisburg OfficeのEdward Wilson、 Lancaster County Planning CommissionのDanny White, Frank Behlauにインタビュー。この組織は、Penn Environmental Councilから派生してLand Use Reform田を目的に、1999年に設立された。スプロールの防止が目標。Philadelphia, Harrisburg, Pittsburgの三つの事務所に7名。ペン州は人口は停滞しているが、スプロールは続いている。州の自治体は小規模で2500以上ある。2000年の州法改正で、自治体連携した計画が奨励された。10000 FOPは、これを支援している。ランカスター郡は、オレゴン州から来たRonal BaileyがUrban Growth Areaを導入。それを踏まえて、郡内の自治体にUGAを採択させることに成功している。 3.平成21年3月1000 Friends of Florida(フロリダ州タラハシー市) フロリダ州立大学Tim Chapin教授、フロリダ州コミュニティ局Robert Pennock, 1000 Friends of Floridaの事務局長Charles G.Pattison, Tallahassee-Leon County Planning DepartmentのFred Goodrow, APA Florida ChapterのJulia Alex Mageeにインタビュー。Oregon州の影響を受け、1985年州法を改正し、地方自治体に総合計画の策定と州の審査を義務づけた。1000 Friends of Floridaはその監視役として、1986年設立された。現在はスタッフ7名。市民の土地利用に関する訴訟の支援、市民の教育、州議会へのロビー活動が主たる任務。
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