平成19年度は、都市内河川周辺地域を8エリア「第1区域内堀エリア」「第2区域外堀エリア」「第3区域神田川エリア」「第4区域日本橋川・亀島川エリア」「第5区域京橋・桜川エリア」「第6区域渋谷・古川エリア」「第7区域隅田川エリア」「第8区域本所深川エリア」に分類し、時代を明治市区改正前、市区改正後、関東大震災後、第二次世界大戦後の4期に分けて、土地利用と土地所有の2視点より調査を行なった。1、歴史的変遷を見るために明治15年の1筆毎の情報である『河岸地沿革図面』と『河岸地免許証台帳』を原点として捉え、データベース化し類型化を行った。河岸地と隣接する街との密接な関係があることが明らかにされた。2、河岸地の解読及び明治17年参謀本部陸軍部作成図面との照合により、河岸を構成し、河岸の位置を明らかにし、河岸の盛衰を正確にヴィジュアルに再現した。3、土地利用の視点からは河岸の機能についての変遷を調査した。4、土地所有の視点からは河岸の売り払いの経緯に関して法と照合させ、調査を行なった。5、今後の河川周辺において景観を含めたオープンスペースの維持管理の手法が重要となる。この面で、隅田川延長に存在する歴史的公園である浜離宮を対象地として、マネージメント、計画論の視点から景観に関する世論、都市計画制度、水源管理者、水路管理者、都、区の役割などを経年的に分析することにより、公共空間の持続的維持に関する条件の抽出を行った。
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