研究課題/領域番号 |
18560607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
横内 憲久 日本大学, 理工学部, 教授 (30060172)
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研究分担者 |
岡田 智秀 日本大学, 理工学部, 講師 (10307796)
伊東 英幸 日本大学, 理工学部, 助手 (70434115)
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キーワード | ミチゲーション / ミチゲーションバンク / リスクマネジメント / カリフォルニア州 |
研究概要 |
米国では、開発事業の実施によって自然環境や生物の生自地を損失してしまう場合、それに見合う環境の代償行為を開発事業者に義務付けており、これに伴ってミチゲーションバンキングシステムが形成されるようになった。このシステムは、ミチゲーションバンカーが予め自然環境の復元や創造などを実施し、それをクレジットとして貯蓄し、開発事業者がこれを購入することで代償ミチゲーションの義務を果たしたとする手段であり、現在、米国で盛んに展開されている環境補償制度のひとつである。しかしながら、ミチゲーションバンクの最新の運用実態や、そのリスク対策などについて明らかとなっていない。 そこで本研究では、米国の中でも特にミチゲーション制度に関する規定が厳しいカリフォルニア州を対象とし、米国陸軍工兵隊、カリフォルニア州水質管理局、魚類野生生物局へのヒアリンク調査と、ソノマ郡サンタローザ市のHazel地区およびCarinally-Todd Road地区での現地踏査を通じて、ミチゲーションバンクの最新の運用実態や、各関係機関の役割について明らかにした。 また、2000年時に調査対象としたカリフォルニア州のワイルドランズ社のミチゲーションバンクにも着目し、その事業者とともに当該サイトを監視・指導する行政機関等へのヒアリング調査を行い、不動産管理会社との2組織での事業運営方法や、環境コンサルタントによる自然環境の維持管理方法などについて明らかにした。さらに、経営リスクマネジメントの観点からコンストラクションセキュリティ、パフォーマンスセキュリティ、ショートタイムインタリング、エンドーメントなどの基金によるリスク対策の方法や、自然災害のリスク、経営破綻が生じた場合の対応などについて明らかにした。 本研究によりミチゲーションバンキング制度をわが国で展開する際の実施要件を明確にすることができたといえる。
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