ドイツの「社会都市」について、連邦政府や研究機関Difu発行の報告書やウェブサイトにより、「社会都市」の傾向を把握し、その上で、先進的な州と言われるノルトライン・ベストファーレン州を中心に、州における「社会都市」の方針とこれまでの運用傾向を把握した。 同州の外部機関であるILSで、州の方針や運用の特徴をインタビューし、また、州内の30地区を対象に、主として、ウェブサイトから、地区の特徴、プログラムの内容、地区ビューローの設置状況を把握した。 その上で、地区ビューローのインタビューを行い、ノルトライン・ベストファーレン州では、登録協会が地区ビューローを設置したドルトムント市ノルトシュタット、市が設置したゲルゼンキルヘン市ビスマルク・シャルケノルト地区を把握した。また、住宅公社が設置している事例としてハノーバー市のモデル地区である、ファーレンハイデオス地区を調査した。 ドイツでは、とりわけノルトライン・ベストファーレン州では、社会都市の実現にあたって地区マネージメントと、地区マネージメントを行う現地事務所である地区ビューローが注目され、重視されている。現段階で大変興味深いと思った点であり、日本では、中心市街地活性化や景観条例における景観形成地区などを積極的に運用する上で、参考になるのではないかと考えている。今後、さらに地区ビューローについて、その活動内容や地区住民との関わり、発展の過程などを把握することを予定している。
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