研究分担者 |
松本 正富 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教授 (20341159)
太田 茂 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (10233123)
三浦 研 大阪市立大学, 生活科学研究科, 助教授 (70311743)
山脇 博紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (60369311)
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研究概要 |
本研究では,高齢者介護施設において入浴ケアを支える入浴環境の利用実態を把握し,人権を尊重した介護浴槽及び入浴ケア環境の必要性を導き出すことを目的とした。従来型の特別養護老人ホームのハード環境で,小規模処遇に取り組む施設において実施した今年度の調査結果から得られた知見を踏まえて,人権を尊重したケアに有効なマンツーマン入浴とユニバーサル浴槽の有効性を整理すると,以下のようになる。 1.マンツーマン入浴は,誘導から整容まで一人のケアスタッフが入浴介助をするため,利用者の介助に集中できた。また,コミュニケーションも図りやすい。 2.マンツーマン入浴は個浴となるため,落ち着いた浴室空間の中で介助できた。また,個々にお湯を張り替えることができ,感染症対策にも有効である。 3.普通入浴から介助入浴まで対応するユニバーサル浴槽は,上述のマンツーマン入浴に対応するとともに,ケアスタッフの介助負担の軽減に繋がる。 4.ユニバーサル浴槽の導入により,個浴で入浴できる利用者が増えた。 5.ユニバーサル浴槽は,省スペースで,普通入浴から座位入浴までの利用者が入浴できる浴室を造ることができた。 以上のことから,「マンツーマン入浴+ユニバーサル浴槽」は,従来の流れ作業的入浴と比べて人権を尊重した入浴ケア環境を創り出すことが可能であり,今後の高齢者介護施設の入浴ケア環境の整備において,有効な手段の一つになり得ると考えられる。
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