研究課題/領域番号 |
18560640
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有田 正志 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20222755)
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研究分担者 |
高橋 庸夫 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90374610)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250479)
柴山 環樹 北海道大学, エネルギー変換マテリアルセンター, 准教授 (10241564)
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キーワード | トンネル接合 / ナノドット列 / グラニュラー薄膜 / 磁気抵抗効果 / 電子顕微鏡 / トンネル顕微鏡 / 単電子伝導 |
研究概要 |
前年度の結果を踏まえて,以下の5項目について研究を展開した。詳細を以下に記す. (1)TEM/STMホールダの操作性向上:ピエゾ素子により駆動される針状電極間にナノ粒子を確実に挟み込むことが本実験において重要な技術である。本年は操作性向上のために汎用PC(2GHz程度)に3枚のDA変換ボード、ピエゾ電源を取り付けたシステムを構築した。Visual Basic. NET上でのソフトウェアを作成し、ほぼリアルタイムに針状電極を作動できる事を確認した。 (2)単電子テストデバイス作製:Mg0(2nm)/Fe(1nm)/Mg0(2nm)を作製してトンネル磁気抵抗効果の確認を行なった。その結果、約120℃での成膜において良好な特性が得られた。サブミクロンスケールのデバイスを用いた一連の実験においてクーロン振動を暗示する結果が得られた。 (3)TEM/STMによる量子伝導計測:主には昨年度得られたMg0トンネル障壁(2nm)およびMg0-Fe-Mg0ナノ粒子系二重トンネル障壁(2nm-1nm-2nm)に関する実験結果の解析を行なった。その結果、電子ビーム蒸着法によるMg0の障壁高さが1.4eVであること、Feナノ粒子のクーロンブロッケイド破壊電圧が約0.1Vであることがわかった。後者は粒子サイズ(約2nm)と整合する結果である。国際会議において発表を行なうと同時に学術論文誌に投稿した(掲載決定、Web上では既公開)。 (4)STM探針作製:探針作製用スパッタ装置の光照射系を改良し、電極作製効率を向上させた。幅広い電極材の使用を念頭において、ナノスケールW針状電極の作製に成功した。 (5)TEM平面実験用試料作製法:TEM用SiN/Si基板作製の最終洗浄プロセスに改良を加え、ゴミの少ない基板作製を行なった。
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