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2008 年度 実績報告書

二ホウ素化マグネシウム超伝導体のピン止め機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 18560647
研究機関鹿児島大学

研究代表者

土井 俊哉  鹿児島大学, 工学部, 准教授 (30315395)

キーワード超伝導 / 超電導 / ピン止め / ニホウ化マグネシウム / MgB_2 / 臨界電流密度
研究概要

本研究では実用化が期待されていながらも、超伝導体にとって最も基本的で重要な特性である臨界電流密度J_c(電気抵抗ゼロで流すことができる電流密度の上限値)を支配する主たる要因であるピン止め機構に関して未解明の点が多く残る金属間化合物二ホウ化マグネシウム超伝導体について、ナノ構造を制御した試料を作製し、特性と微細構造の相関からピン止め機構を明らかにすることを目的に研究を行った。
本年度は、シリコン単結晶基板上に超高真空中で電子ビーム共蒸着法を用いて、二ホウ化マグネシウムとNiを交互に積層した多層膜を作製した。Ni層の厚さは1nmとして、二ホウ化マグネシウム層の厚さを31、21、15nmと変化させて3種類の多層膜を作製し、それらの超伝導特性(臨界温度:Tc,臨界電流密度Jc)を調べ、以下のことを明らかにした。
(1)二ホウ化マグネシウム中に挿入されたNi層は非常に強いピン止め力を発揮する。
(2)二ホウ化マグネシウム層の厚さが31、21、15nmである多層膜では、Ni層に平行に磁場を印加した場合のピンニング力の印加磁場依存性曲線において、2、3.5、6Tの時に明確なピークが観察される。
(3)量子化磁束線が正確に3角格子を組んでいると仮定した時の1つの3角格子の3角形の高さが、Ni層間隔に一致する時に、特に強いピン止め力が得られる。
(4)磁気的には量子化磁束線がほとんど重なっているような高い磁場(1〜6T)においても、量子化磁束線は1本ずつ独立に存在し、きれいに3角格子を組んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 組成を変化させて作製したMgB_<2+x>薄膜の超伝導特性2008

    • 著者名/発表者名
      束野 豊
    • 雑誌名

      低温工学 43

      ページ: 482-490

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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