流体透過用触媒担体の開発においては、高配向性気孔の気孔径制御のみならず細孔径分布も制御する必要がある。細孔径を制御する手法としてはゾルゲル法などがあり、一方、細孔径分布を制御する手法としてはパルス通電焼結により助剤を飛ばす方法などがある。本研究課題が解決しようとするのは、細孔径の制御と同時に細孔径分布も同時に制御し、かつ簡便な一方向凝固法で高次に構造が制御された酸化物多孔体を作製する新規なプロセスの開発にある。 具体的には、固相と液相におけるガスの溶解度差および凝固時におけるガス原子の拡散を利用し、一方向に凝固させることにより固相に取り込まれない過飽和の水素原子が気孔を形成・成長させることにより、酸化物多孔体を作製する手法を確立する。ガス種、ガス圧、凝固速度などの実験条件と生成される構造との関連を明らかにし、構造制御法を確立する。
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