研究概要 |
炭化ケイ素(SiC)セラミックスの力学特性向上のため、0.8μm SiC(SiCA)に30nm SiC(SiCB)を体積比で25vol%混合した成形体を作製した。これに有機金属ポリマー(ポリチタノカルボシラン(PTC),熱分解後の体積率3vol%)を含浸させて1950℃で加圧焼結し、力学特性の評価(強度、破壊靱性、ワイブル係数)を行った。焼結助剤にはAl_2O_3 1.2vol%-Y_2O_3 1.2vol%を加えた。焼結体の相対密度はPTC添加前後で変化なく、97.3-97.7%であった。一方、焼結体の粒径はPTC添加により3.5μmから2.2μmに減少した。PTCは熱分解により10-50nmのSiCを形成することから、焼結体の構成粒子の成長を抑制する。PTC添加前後の焼結体の4点曲げ強度、破壊靱性およびワイブル係数は以下の通りである。PTC無添加:812MPa,6.0MPa-m^<1/2>,5.9,PTC添加:911MPa,5.2MPa-m^<1/2>,11.3。PTCの添加は焼結体の強度とワイブル係数を増加させるのに有効である。最高強度は1080MPaであった。
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