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2007 年度 実績報告書

新規カーボン多孔質材料の創製とキャラクタリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 18560664
研究機関東京工業高等専門学校

研究代表者

阿久沢 昇  東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70042702)

研究分担者 松本 里香  東京工芸大学, 工学部, 講師 (30338248)
キーワードインターカレーション / 黒鉛層間化合物 / ナノスペース / 多孔質炭素材料 / 層間内重合反応
研究概要

グラファイトの層間に新規ナノスペースを創製することを目的として、まずはセシウムやルビジウムをインターカレーションした化合物(CsC24、 RbC24)を調製し、そのナノスペースにエチレン、ブタジエンを吸収させた。得られた三元系化合物を室温で放置してエチレンやブタジエンを層間内で重合させた後、酸素や水蒸気などで処理してアルカリ金属だけを選択的に除去して、最終的にナノスペースを有するグラファイト-オリゴマー複合体とすることが目標である。
エチレンを吸収・重合させた三元系化合物(CsC24(C2H4)x)を酸素と反応させた場合、生成物は77Kで水素を吸収せず、分子吸収に有効なナノスペースの生成はみられなかった。同様にして水蒸気や液体アンモニアとの反応を実施したが、結果的には酸素処理と同様にナノスペース生成は確認できなかった。より反応性の大きい臭素で処理するとCsは完全に除去できることが確認された。しかしこの場合には臭素が生成物中に残留してしまい、目的とするグラファイト-オリゴマー複合体は得られなかった。
ブタジエンをRbC24に接触・吸収させて三元系化合物を合成した。室温では表面にブタジエン重合物と思われる高分子物質が析出してしまうことから、-21℃で吸収させたところ試料の端面にのみインターカレーションした。この三元系化合物は空気中で非常に安定で、端面の層間内で生成したブタジエン重合物が酸素や水蒸気との反応を阻止しているものと考えられた。電気抵抗率はRbC24の値とほとんど同じで、軽量高導電材料や熱電材料としての利用が考えられる。
以上の結果からナノスペースを有するグラファイト-オリゴマー複合体の創製には至っていないが空気中で安定な黒鉛層間化合物を開発する方法が見出された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 黒鉛層間化合物の合成手法2007

    • 著者名/発表者名
      阿久沢昇、松本里香
    • 雑誌名

      炭素 2007(No.230)

      ページ: 373-378

    • 査読あり
  • [学会発表] Change of electrical resistivity of graphitized cathode block during and after electrolysis in alumina molten salts2008

    • 著者名/発表者名
      N. Akuzawa, et. al.
    • 学会等名
      TMS Annual Meeting & Exhibition
    • 発表場所
      ニューオーリンズ(米国)
    • 年月日
      2008-03-11
  • [学会発表] Rb-GICsのラマン分光によるキャラクタリゼーション2007

    • 著者名/発表者名
      阿久沢 昇, 他
    • 学会等名
      第34回炭素材料学会年会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      2007-11-28
  • [学会発表] AM-GICsナノスペースの構造制御と水素吸収2007

    • 著者名/発表者名
      阿久沢 昇, 他
    • 学会等名
      第34回炭素材料学会年会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      2007-11-28
  • [学会発表] シート状黒鉛をホストとする黒鉛層間化合物の熱的および電気的性質2007

    • 著者名/発表者名
      松本 里香, 他
    • 学会等名
      第34回炭素材料学会年会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      2007-11-28
  • [学会発表] グラファイト-塩化鉄-アンモニア三元系化合物の合成2007

    • 著者名/発表者名
      阿久沢 昇, 他
    • 学会等名
      第34回炭素材料学会年会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      2007-11-28
  • [学会発表] H2-sorption by potassium-graphite intercalation compounds2007

    • 著者名/発表者名
      N. Akuzawa, et. al.
    • 学会等名
      Int. Conf. Carbon, "Carbon2007"
    • 発表場所
      シアトル(米国)
    • 年月日
      2007-07-17
  • [学会発表] Thermoelectric properties of graphite intercalation compounds2007

    • 著者名/発表者名
      R. Matsumoto, et. al.
    • 学会等名
      Int. Conf. Carbon, "Carbon2007"
    • 発表場所
      シアトル(米国)
    • 年月日
      2007-07-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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