カーボン繊維(CF)、ナノファイバー(CNF)、カーボンナノチュープ(CNT)、近年盛んにCNTを利用した材料開発などが行われている。これらを重量パーセント0、10、20、30wt%となるようにアルミ合金粉末を調整して、アルコール用材に浸して、遊星ポールミルにて60分混合を行った。混合後放電焼結装置により600℃、5分保持後冷却して固化成型した。固化成形度硬度を測定した結果、いずれも含有率とともに増加した。また熱伝導率は比熱、熱拡散係数、密度から計算で求めた。その結果CFの場合最大で約150W/mK、CNFの場合130W/mK程度で、CNTの場合、約100W/mK程度であった。 これまでCFで繊維方向の熱伝導率は600W/mKと高いが、繊維と直角方向では50W/mKと異方性が認められたとの報告があるが、それに比べると低いが、CFがランダムに配向していることを考えると平均的な値であるといえる。一方CNFはCFに比べて少し高い傾向にあった。固化成型条件をさらに検討を加えることにより、熱伝導特性が向上する可能性があると考えられる。まだ界面組織を観察していないが、熱伝導特性を向上させるには界面組織と繊維の均-分散が重要な因子であるとこが考えられる。そこでまず繊維と界面との問の応力や熱伝達を可能にするために、両者の組織を改善するために、特に直系の細いCNFの表面を基地材料でコーティングすることを試みた。とりあえずCNFの表面にAl、Mgをコーティングすることができたようである。X線回折により、AI4C3、MgCの炭化物のピークが検出されたので、CNF上で、それらの炭化物が形成されていることから、コーティングされたと判断しているが、今後界面組識を観察して、確認する必要がある。
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