研究概要 |
本研究の対象物質であるrare earthと金属との化合物であるABO3型ペロブスカイト酸化物については、電子のスピンが非常に強く相互作用しているため、巨大磁気抵抗をはじめとした様々な素材や、基礎研究の対象としてよく研究されている。しかし、これらrare earth置換物質について個々の研究はなされているものの、系統的なデータに関しての報告は決しておおくはない。そこで本年度の研究目的として我々はこのrareearthをPr,Nd,S皿,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Erとして置換物質の試料作製を行い、比熱測定と磁化測定を試みた。また、BサイトをMn,Fe,Crに置換したペロブスカイト酸化物も作成し、同様に測定を行った。その結果より極低温用酸化物蓄冷材としての可能性を考察した。 それぞれの酸化物物質の磁化と比熱の比較から、BサイトがMnの場合に原子番号順に系統性が認められた。また、AサイトがGdからTbに代わると低温部における比熱のピーク位置が高温側にシフトする事が確かめられた。そして、AサイトがHoの場合比熱の値が20K以下においてゼロに近づかず、ある程度の値を持つことも確かめられた。
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