研究概要 |
前年度に引き続き,標準試片(銀棒試片)による冷却曲線データと熱伝達率データの収集,および鋼部品の焼入れと冷却曲線データの測定を進めた。さらに新たに,鋼部品の焼入れ実験と逆解析法による熱伝達率同定を行った。この場合,試片寸法が大きい場合や鋼部品のように熱伝導率が比較的小さい場合には,集中熱容量法を適用することができないので,実測した焼入冷却曲線データから金属試片や鋼部品の表面熱伝達率を求めるには逆解析的手法を用いる必要があるが,逆解析においてはいくつかの困難がある。このような困難を回避して最適解を効率良く得るためには,どのような手法が適しているかを検討した。これらの検討結果に基づいて熱伝達率同定を行った。さらに,得られた結果より鋼部品の形状・寸法,姿勢,材質等の影響について分析し,これらの結果をデータベースに組み入れた。 以上の作業を進めて収集した標準試片(銀棒試片)と鋼試片の冷却曲線データ,および「焼入冷却剤の冷却能データベース研究部会(日本熱処理技術協会)」において収集されたデータを整理してデータベースの構築を行った。また,研究成果の一部を国際会議等で発表した。
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