研究概要 |
ポーラス層の形成方法としてメッシュ材の積層拡散接合方法に着目し、メッシュ材を平板チタン上へ拡散接合する方法を確立した。今回は、実際の人工股関節ステム上にメッシュ材を積層接合させるため、丸棒チタン側面上へ複数枚チタンメッシュ材を接合し、大きな熱膨張係数を有するSUS治具による加圧の適用性について検討した。 供試材は、厚さ0.2mm純Tiメッシュ材と、直径10mmの純Ti丸棒である。丸棒円周上にメッシュ材(5枚)を積層させ外側からSUS304治具、Mo線で固定した後、真空中(6x10^<-3>Pa)で加熱し接合を行った。接合部の評価として、引張試験、破断面観察等を行った。 直径の異なるSUS304製の2種類の治具を利用し、各種の温度に加熱して、熱膨張量の影響について検討した。外径がφ28の治具の使用と接合温度の上昇で、積層メッシュの接合強さが向上し、メッシュ内部で破断した。メッシュの変形量は、熱膨張の計算結果とも一致した。メッシュ材が20%と変形するような接合条件の選定で、メッシュ材が母材破断し,高真空中の接合では、母材の劣化なく接合できた。
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