生体適合性に富む気孔系、気孔分布をポーラス層を形成するため、(1)チタンメッシュ材を複数枚積層して、気孔径、気孔率を制御、(2)メッシュの接合法として、パルス通電接合法及び熱膨張係数の差を利用した加圧接合法について着目して検討した。その結果、以下の結果を得た。 (1)使用するチタンメッシュ材の気孔率、気孔径が、複数枚積層接合時の気孔率と気孔径を決定する。すなわち、積層する際の積層法には関係がなく、気孔径と気孔分布の制御が可能となった。 (2)通電接合法では、チタンメッシュ材の接触抵抗に起因した発熱による。従って、接合部を選択的に加熱できる。しかし、本実験に使用したシステムでは、加圧力が大きいため、接合部の変形が大きくなったが、低加圧力システムの適用で、変形の少ない積層メッシュ接合体を作製できる。 (3)パルス通電接合法と並んで、熱膨張係数の差を利用して単純に加圧・加熱して接都合する方法についても検討した結果、接合温度が700℃以上で、チタンメッシュ材をチタン上に接合できる。また、人工股関節を模擬した円筒形状のチタン上にも積層チタンメッシュ材を接合することができた。
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