研究概要 |
本提案研究において、以下の3点の研究成果を得る事が出来た。 (1)曲げパイプにおける伝搬挙動の解明:本研究では、曲げ菅においてL(0,1)モードとF(1,1)モードが相互にモード変化をする事を示している。特にレーザー超音波法を用いる事で、広い周波数範囲で相互にモード変換する事を示した。また、曲げ角度が0度から90度までの試験片を準備し、角度が急になるほどモード変換の変換効率が高い事を示した。えられた研究成果は、ULTRASOMCS,44(2006)e1139に掲載された。 (2)パイプの周方向に伝搬するガイド波の伝搬挙動と簡便な励起方法の提案:複雑構造部を伝搬するガイド波の基礎的な研究の一環として、板を伝搬するガイド波であるラム波とSH波が曲率を有する板を伝搬する際の挙動の研究成果を得ている。ここでは、一般的な横波センサーを用い、偏波方向を軸方向とすればSH波が、軸方向と垂直にすればラム波が選択的に励起できる事を示した。また周方向を伝搬するガイド波の理論計算も実施している。ここで得られた理論と実験の比較を行うことで、モードの同定と各モードの励起効率の理論的な考察も実施した。SH波に関する内容はAcoust.Sci.& Tech.,27(2006)389に掲載された。 (3)ガイド波の伝搬挙動を利用したパイプの肉厚外径比の推定手法の提案:研究代表は、ガイド波が、源肉部分を伝搬する際に音速が大きくなることを理論的に予想していたが、本研究では、それらの実験的詳細な検証を行った。その結果、理論の予想通り薄肉のパイプほど伝搬速度が大きくなる事を証明できた。音響学会誌63,(2007)13に掲載された。 尚、上記以外にガイド波を効率的に励起検出する方法を提案し、特許の出願を行っている。
|