研究課題/領域番号 |
18560697
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西野 秀郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50316890)
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研究分担者 |
吉田 憲一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50200986)
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キーワード | 超音波 / 超音波探傷 / 波動伝搬問題 / ガイド波 / Guided wave |
研究概要 |
本提案研究において、以下の3点の研究成果を得る事が出来た。 第一に、源肉欠陥でのガイド波の定量的データの取得:本研究では、最終的に複雑部位を含めたガイド波による源肉欠陥検出法の確立を目指している。本年度は、直管部分を用いて源肉欠陥の漸増試験を実施し、0.5%程度の断面欠損率以上の大きさの源肉欠陥が検出出来ることを確認した。これまでにこの種の定量データは多くない。来年度のエルボ部を有するパイプでの検証実験の準備データが整った。 第2に、パイプの周方向に伝搬するガイド波の伝搬挙動と簡便な励起方法の提案:複雑構造部を伝搬するガイド波の基礎的な研究の一環として、板を伝搬するガイド波であるラム波とSH波が曲率を有する板を伝搬する際の挙動の研究成果を得ている。昨年までに、ラム波とSH波を円筒面状で選択的に励起する方法を得てきたが、センサーの中心周波数近傍のみのデータであった。本年度は、トーンバースト信号を入力波に用い、得られた波形に対してはウエーブレット解析を行うことで広帯域の円周方向ガイド波の励起に成功している。これに関連する内容はJapanese J.Appl.Phys.46(2007)4568に掲載された。続編も投稿済である。 第3にガイド波の伝搬挙動を利用した効率的ガイド波励起方溝の提案:パイプのエルボ部などの複雑部位では、ガイド波のモード変換や、エネルギーロスが生じ、強い信号を得ることが比較的困難になってくる。そこで、ガイド波の励起・検出効率を向上させる方法が必要である。ここでは、ガイド波のセンサー近傍に反射体を設置する方法で励起検出効率を3倍程度に向上させることに成功している。センサーと反射体の相対距離は、励起するガイド波の半波長の整数倍で良いことを示した。
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