研究課題/領域番号 |
18560699
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
松田 均 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60118015)
|
研究分担者 |
人重 真治 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00239716)
福室 直樹 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10347528)
|
キーワード | 無電解めっき / アモルファス / ナノ結晶 / 傾斜構造膜 / 磁化履歴曲線 / 保磁力 / 変調構造 |
研究概要 |
電気化学的成膜法の中で無電解めっきを用いて、傾斜構造・機能膜を作製することを目的としている。また、その膜厚方向の組成分布や結晶成長と磁気特性との関連性を明らかにし、電気化学的成膜による膜成長様式を明らかにする。ここでは、無電解めっきの析出膜のコントロール因子である溶液組成や浴温、浴のpH、撹拌条件のうち,浴のpHおよび撹拌強度をコントロールし、界面での諸反応すなわち析出プロセスに変化を与え、析出膜の結晶構造をコントロールした。この特徴を利用して、これまで、無電解Co-P合金めっき膜作製時のpHを連続的に変化させることにより、アモルファスナノ傾斜構造膜を作製した。ここでは、成膜因子を系統的に整理し、傾斜材料における物性および構造の傾斜度をコントロールし、最終的に、膜全体を二層分離変調構造から成る膜の形成条件を見出した。と同時に、新規物質といえるアモルファスーナノ結晶二相分離構造の磁気的性質を明らかにした。まず、浴のpHや撹拌強度を個別に変化させることによって、膜厚方向にP含有率が10at%と一定であるにもかかわらず、断面TEM像から基板側では柱状の結晶質、表面側ではアモルファスの傾斜構造膜を形成した。ここでは、この2つの因子を形動的に連動させることにより、浴撹拌の回転数を0〜100rpmの範囲で検討した結果、撹拌速度0rpmではアモルファス、100rpmでは柱状の結晶質か単相膜として得られた。さらに、アモルファスーナノ二相分離変調構造が見出される最適条件を探り、その条件下で作製した場合、膜全体を二層分離変調構造から成る膜の形成に成功した。同膜の断面TEM観察を行った結果、膜厚方向に、周期性の若干の乱れは見られるものの、膜厚が30μm以上でも、膜全体が、アモルファスーナノ二相分離変調構造の単層膜から成っていることが明らかとなった
|