研究概要 |
鉄鋼業では精錬に不可欠なスラグが恒常的に廃棄されている.また,現在.高度成長期の建築物がその更新期を迎えており,大量の廃セメントの発生が予想されている.これらには酸化カルシウムなどの二酸化炭素と反応しやすい物質が含まれている. そこで,本研究では地球温暖化ガスである二酸化炭素をこれらの酸化カルシウムを含有する廃棄物を利用して固定するプロセスの開発を目的とした. 実験は,二酸化炭素中で,廃セメント,廃スラグを乾式および湿式で粉砕して行った,粉砕機は遠心式ボールミルを使用した. 収容名結果をいかにまとめて記す. 1)試料によらず,乾式粉砕よりも湿式粉砕の方が二酸化炭素の吸収速度および吸収量は大きかった. 2)試料によらず,湿式粉砕では試料量,添加水量が増加すると,二酸化炭素の吸収速度および吸収量は大きかった. 3)電気炉還元スラグでは,二酸化炭素は初期に急激に増大した後,緩やかに増加した.二酸化炭素の吸収が緩やかな時間で,微小な水素の発生が認められた.一方,廃セメントと電気炉酸化スラグでの二酸化炭素の吸収は二段階で進行し,初期段階では二酸化炭素のみが吸収されるが,後期段階では二酸化炭素と同時に水素の発生が認められた.二酸化炭素の吸収量,速度と水素の発生速度,発生量はほぼ同等であった.とまた,廃セメントの粉砕後期段階ではメタンの発生が認められた.
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