鉄鋼やアルミニウム等の金属材料の製錬・鋳造分野で重要な課題となっている非金属粒子の除去方法として、直流電流と直流磁場の重畳印加による直流ローレンツ力を利用する方法を提案する。前年度までで、単一の非導電性粒子に及ぼす直流ローレンツ力の浮力への寄与を、LeenovとKolinの理論により確認し、実際の適用の場で問題となるであろう対流の影響を明確にした。本年度は粒子間の相互作用を明確にするために、2つの粒子が存在する条件で同様の実験を行った。得られた知見を以下に示す。 1. 重力制御効果は単一粒子と同等に現れるものの、ローレンツ力の増加に伴い、非回転力成分の割合が減少した。これは2つの粒子の存在が単一粒子よりも電流の経路に大きな影響を与え、対流が生じたためであると考えられる。 2. 2つの粒子の間隔が減少すると、非回転力成分の割合が変化し、2つの粒子が相対的に合体あるいは反発することがわかった。これについては詳細をさらに追求する予定である。
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